子どもを育てるということ

ある日、ネット上でこんな投稿を見た。

「子育てがこんなに大変だなんて、誰も教えてくれなかった」

甘い、と言われそうなのだが、その時私は妙に納得した。

そう、誰も教えてくれなかった。

じゃなくて、正確には、自分が知ろうとしなかった。


知らなかったのだ。子どもを産み、育てることがこんなに大変だなんて。

知ろうともしなかった。

いつか子どもが欲しいなー、なんて思っていても、実際に妊娠するまでは、

「子育て」は他人事。

世の中には育児雑誌と呼ばれるものが数多あり、ネット上には情報があふれているけれど、子どもを持つまでは見向きもしなかった。


何が言いたいか。

「子育て」をもっと、みんな自分事にしてもいいんじゃないか。

だって、子どもを産み、育てるって、とても重大な仕事だし、人類の暮らしの根幹に関わる部分じゃないか。

母親の苦労を知ってほしい、というわけじゃない。

「知らなかった」ことに、私は単純に驚いた。

どうして今まで、知ろうとしてこなかったんだろう。


ここに「壁」を感じる。

「子育て」「育児」のワードがあるだけで、「あぁ、自分には関係ないや」と

目を背けてしまうこと。

子どもを育てる。という暮らしは、まるで背の高い壁に囲まれた中で、

一部の人だけが行っているよう。

その中に一歩入って初めて、はっと気づくことが何と多いことか。


「子どもを産み、育てる」このリアルを共有したい、と思う。

今はまだ模索中だけど、どこかの媒体でそんな情報を発信できないかと。

母親というコミュニティの中での共感ではなくて、

もっと広い世界の中で。





あまおと

ライター、塩井典子のブログ。 一年滞在したフランス・ストラスブールの記録、ライターの仕事のこと、 子育てのことなど。

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