手放すとき

何かを手放すのは容易い。

でもそれを取り戻すのは難しい。


学生の頃からずっと続けていたジャズバンドを、

社会人になって辞めようか迷っていたとき、社会人の先輩が言っていた。

「大変になるかもしれないけど、一回辞めてしまったらもう再開できないよ」。

結局、その言葉を聞いて、バンドは子どもを妊娠するまで続けた。

あのとき続けて本当によかったと思っている。


大変なんだけど、頑張れば何とか続けられる。

本当に頑張ってもどうにもならないとき、手放すかどうかを考えればいい。

きっと辞めてしまっていたら、楽器に触らない生活が当たり前になって、

そこからまた楽器を始める、というハードルはものすごく高くなったのだろうなと。


趣味も、仕事も、人間関係も。手放すことは簡単だけど、もう一度つなぐことは難しい。

断捨離とかミニマリストとか、「手放す」ことがなんとなく推奨されているような今だから、逆にきちんと考えたい。

もちろん、考えて考えて必要ないなら、手放した方がいいんだろうけど。


そう思うと、たぶん子どもが生まれてから色々手放してしまったものがある気がして

(楽器もそのひとつだけど)、やっぱりもったいないな。

安易に手放す前に、立ち止まって考えようと、思った今日。

あまおと

ライター、塩井典子のブログ。 一年滞在したフランス・ストラスブールの記録、ライターの仕事のこと、 子育てのことなど。

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