とりとめもなく、夢の話

「おかあさんは大きくなったら何になりたいの?」と、たまに息子に聞かれます。

そのたびに、ふと立ち止まって考えてしまうのです。

自分のやりたいことって何だろう。これからどうなりたいんだろう。


思えばずっとずっと、夢を追いかけ続けてきたような気がします。

学生の頃の夢は「とにかく書くことに携わること」。

そして最初に就いたのが、マニュアルライターという仕事。

正しい日本語を使って、読み手のことを考えながら、いかに分かりやすく伝えるかを工夫する。

「書くことに携わる」ことができた、という実感があり、とても楽しい仕事でした。


しかしそこから、もっと「表現する」仕事をしたいと思うように。

隣の部署でコピーライティングをしている先輩を見て、

「私もやりたいです」という話をしたのを覚えています。


念願叶って部署を異動し、カタログやチラシなど販促物のコピーライティングをすることに。

これはまた、マニュアルとは全く違う世界で本当に面白かった。


そこから、数は少ないながらも取材記事のライティングをたまにやらせてもらえるように。

初めて取材したときのことを、今でもよく覚えています。

用意した質問を一通り聞いたら、時間がすごく余ってしまって、汗をかいたことも。


次第に企画立案やプレゼンテーションの仕事が多くなっていく中で、

やっぱりもっと「書く」ことをメインにしたい、取材をたくさんしたい、と思うようになりました。


最初の会社を辞め、一人目を出産してから編集プロダクションに入社。

ここでは、数え切れないくらいたくさん取材に行き、とにかくひたすらに原稿を書きました。

まさに、自分が望んでいた仕事。

いつか、自分の名前が載るような記事を書きたい、と憧れていましたが、

その夢も叶いました。


二人目出産に伴って編プロを退社し、今度はフリーランスに。

会社に勤めているときは、とにかく言われた仕事を精一杯こなすだけだったのですが、

「こういうものを書きたい」「こういう取材をしたい」という自分の意志を確認しながら

仕事を取りにいきました。

結果、一緒に仕事をしてみたい、と思える方々と、苦労しながらも、心から楽しい仕事ができたと思います。


そして、今。海外にいて、仕事は少しお休みしています。

すべての夢は叶ったのかというと、そうではなくて。

以前にも書いているような気がするけど、やっぱりもっともっと、人に「届く」ものを書きたい。

それは、発行部数が多いとか、知名度の高い雑誌の仕事をする、ということではなくて、

中身の話。

「届けたい」という熱量があって、誰かの気持ちを少しでも動かすような、

読んでくれた人の日々に少しでも潤いとか、豊かさをもたらすような、そういうもの。

ざっくりとしているけど、そういう仕事の数を増やしていけたらいいなと思っています。

それが今のところの、夢。

でもきっと、先へ進めばまた新たな夢が見つかるのだろうと、思ってもいます。


かあさん、まだまだ頑張るよ。

あまおと

ライター、塩井典子のブログ。 一年滞在したフランス・ストラスブールの記録、ライターの仕事のこと、 子育てのことなど。

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