外国で暮らすこと

フランスから帰国して、一年以上が経ちました。

今でも記憶は鮮やかで、美しかった花や街並み、日本では食べられない色々なもの、思い出しては懐かしく感じます。

次第に遠ざかっていく日々を、なんとか繋ぎ止めたくて、

フランス語を勉強したり、撮りためた写真を見たり。


フランスに居たとき、私は特に何かしていたわけではありませんでした。

仕事もしなかったし、結局語学を習うこともしなかった。

子育てと家事に専念していたと言えば、そうです。


それでも、「外国に住んでいる」というだけで、

何かを成し遂げている気になり、自分が何か特別な力を持っているかのような

気持ちになっていました。


もちろん、日常の買い物をするだけでも、

幼稚園の先生と言葉を交わすだけでも、

日本の倍は力を使うのですが。


外国で暮らすことは、確かに自分に力を付けてくれます。

日本では使わない筋力が付くのです。

言葉がままならない中で、なんとか伝えようとすること。

文化の違いを目の当たりにして、その中でうまく暮らしていくこと。


でもきっと、一年よりさらに長期住み続けることになったら、

ただ暮らしているだけでは力は付かなくなります。

今度はその中で、自分なりの一歩を踏み出さないといけないのだと思います。


与えられた環境だけでは、いつか成長はできなくなる。

そこから前に進むには、結局自分の力が必要になるのです。

あまおと

ライター、塩井典子のブログ。 一年滞在したフランス・ストラスブールの記録、ライターの仕事のこと、 子育てのことなど。

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